夏になると発生する台風は、ほとんどの場合、日本付近で東に曲がります。
まるで日本に向かって来ているのに曲がるのは、とても不思議に思いますよね。
台風が、日本付近で東に曲がる理由は、日本付近で吹いている2つの風が影響しているからです。
台風を運ぶ2つの風
台風は自力で動けないので、風の影響を受けて進みます。
この記事では、台風が太平洋高気圧や偏西風との関係性から、日本付近で曲がる理由について解説していきます。
また、台風発生に伴って提供される情報の見方、台風接近時の対策についても解説します。

台風は発生後1週間近くしてから日本に近付くので、その間に準備できますね!
台風が近づいたら、窓ガラスが割れないようにフィルムを貼りましょう!!
飛散防止フィルムは、台風による窓ガラスの割れを防ぎ、家族の安全を守るための効果的な対策です。


台風が曲がる理由は太平洋高気圧から偏西風へ移るため


台風は日本の南の方で発生し、日本付近まで北上してきて東に曲がる傾向があります。



台風がいつも日本の近くで曲がる理由が知りたいわ。



最近は不規則な動きをする台風も増えてきたけど、曲がる理由は何だろう?
台風は、私たちから見ればとても大きく恐ろしい存在ですが、地球規模で考えると小さなもので、その何倍も大きな力によって動かされています。
台風を動かす原因
太平洋高気圧と偏西風、2つの風の影響により、台風は日本付近で東に進路を変えて曲がるのです。
この章では、太平洋高気圧や偏西風の影響で、台風が曲がる理由について詳しく説明していきます。
台風が曲がる前後で起きる、勢力の変化についても紹介していますので、台風の特徴について理解を深めていきましょう!
台風のメカニズムを知って、進路を予測しながら対策に活かしてくださいね。
【太平洋高気圧】台風を北に運び、日本に近づける
台風は太平洋や南シナ海で誕生しますが、自力では動けないので、周辺の風に乗って進みます。
発生したばかりの台風へ、最初に影響を与えるのは、太平洋高気圧です。
高気圧な場所では、時計回りに風が吹いています。
太平洋高気圧の西側で生まれた台風は、時計回りの風、つまり北向きの風に乗せられて進みます。
台風が北上してくるのは、太平洋高気圧付近で台風が誕生し、太平洋高気圧で運ばれてくることが理由です。
【偏西風】西から東に吹き、台風を東に運ぶ
偏西風とは、地球の周りを西から東に向かって吹く風で、中緯度の地域で吹いています。
赤道や高緯度の北極、南極付近だと、偏西風は発生しません。
太平洋や南シナ海で生まれた台風は、太平洋高気圧の影響を受け北上すると、中緯度地域で偏西風に出会います。
北上していた台風は西から東に吹く偏西風に乗って、東に向きを変えて移動するため曲がるのです。
台風が曲がった後は、偏西風に吹かれながら太平洋高気圧の縁に沿って進みます。
台風は、太平洋高気圧から偏西風に移るため、日本の近くで大きく進路を変えて、曲がる傾向があります。
台風は、時には曲がらずに北上したり、同じところに停滞したり、北方向に戻って行ったりするような動きを取ることもあります。
台風の不規則な動きも、太平洋高気圧の張り出し方が影響しています。
【台風の変化】曲がる前に発達、曲がった後に衰退
例年多くの台風は、勢力を強めながら日本に近づき、日本周辺で曲がると、北寄りに進路を取りながら勢力を弱めます。
その後台風は、熱帯低気圧や温帯低気圧に変わります。
台風が曲がりながら日本に近づいてきて、弱まっていく理由と過程は次の通りです。
亜熱帯地方の海上で発生した低気圧は、風速17m/sで台風になります。
暖かい地域の海面から上を通り、海面から蒸発した水蒸気をエネルギーとして発達します。
海面の温度は低くなってくるので、台風に供給される水蒸気のエネルギー量が少なくなります。
水蒸気が供給されなくなると、台風は次第に勢力を弱め、熱帯低気圧や温帯低気圧になります。
日本周辺では台風本体と周りの空気に温度差ができ、前線が発達することがあります。
衰退した台風が前線を伴う場合は、温帯低気圧と呼ばれ、強風に注意が必要です。
前線を伴わず、そのまま台風の風速が17m/sを下回ったものは、熱帯低気圧と呼ばれます。
熱帯低気圧は、台風の風速が弱まっただけなので、大雨に警戒が必要です。
台風情報で使う言葉の意味紹介!用語から特徴をつかむ


台風が発生すると、進路情報以外にも様々な情報が私たちに提供されます。
台風は時間をかけて接近しますし、雲の動きなどから、規模や強さの変化もある程度予想されます。
台風情報を基に対策することで、被害を小さく抑えられます。



台風情報で使われる言葉の意味がよくわかっていないんです。



風速25メートルってどんな風なんだろう?
この章では、ニュースや天気予報で提供される台風情報の理解を深めるために、言葉の意味合いについて解説していきます。
【大きさと強さ】強風域の大きさと最大風速で決定
台風情報を見ると「大型で非常に強い台風」などと台風の大きさと強さが表されています。
この情報は台風によって起こされる風に関する情報で決定します。
【台風の大きさ】強風域の大きさで決定される
平均風速が毎秒15メートルを越える地域を「強風域」と呼びます。
強風域の範囲が大きい台風は「大型」「超大型」と区分され、基準は以下の通りです。
表現 | 強風域の大きさ |
---|---|
大型 | 半径500km以上800km未満 |
超大型 | 半径800km以上 |
強風域の大きさが500km未満なら、大きさに関する表記がされません。
「超大型の台風」は本州を覆い尽くすほどの、とても大きい台風です。
【強さ】最大風速の大きさで決定される
天気予報でよく聞く「風速」とは「平均風速」を意味しています。
平均風速 | 10分間の平均風速のこと |
---|
風速の単位「m/s」は「メートル毎秒」と読み、1秒間に吹く風の速さを表しています。
平均風速の最大値のことを「最大風速」と言います。
最大風速の大きさによって台風は「強い」「非常に強い」「猛烈な」と表現されます。
表現 | 台風の状態 |
---|---|
強い | 最大風速33m/s以上44m/s未満 |
非常に強い | 最大風速44m/s以上54m/s未満 |
猛烈な | 最大風速54m/s以上 |
風速33m/s未満の台風については、強さに関する表記はありません。
最大風速33m/sの強さは、立っていられないほどの風が吹き、屋根が飛んだり、電柱が倒れたりするような風です。
風速54m/s以上となると、木造の家が壊れるほどの強さの風を表します。
【風】強さを表す暴風域と最大瞬間風速
台風情報では風が吹く地域を「強風域」「暴風域」、風の強さを「最大風速」「最大瞬間風速」という言葉を使って表しています。



似ている言葉の違いがよくわからないの、教えて?
よく似ている言葉なので、それぞれの意味や違いを解説します。
強風域と暴風域は風の強さで区別
強風域と暴風域は、風の強さで区別されています。
区分 | 説明 |
---|---|
強風域 | 風速15m/s以上の風が吹くと想定される地域 |
暴風域 | 風速25m/s以上の風が吹くと想定される地域 |
風速15m/sは取り付けの甘い看板が飛んでいく強さの風で、風速25m/sは屋根瓦が飛ばされる強さの風です。
風速25m/s以上の暴風域になると、立っていることが困難です。
強風域や暴風域に入っている場所は、その強さの風が吹くとされる地域で、必ずその強さの風が吹くというわけではありません。
最大風速と最大瞬間風速は平均か瞬間的かで区別!
風速は10分ごとに平均を計測しており、その最大の風速が「最大風速」です。
最大瞬間風速は文字通り、瞬間的に吹く風の風速を表します。
最大瞬間風速は、最大風速の1.5倍から2倍になることもあります。
【大雨に関する情報】降水量に注意!
台風接近時に発表される大雨に関する情報では、降水量に注意しましょう。
台風は発達した積乱雲なので、通過した地域やその周辺にたくさん雨を降らせます。
さらに南から北上してくる間に温かい湿った空気をたくさん取り入れ、日本周辺にある前線を活発化します。
大雨は命に関わる災害にもつながるので、予想される降水量についての情報収集をしっかりすることをお勧めします。
大雨情報ではよく、1時間ごとの降水量と、降り続いた期間の合計降水量が示されますが、どちらにも注目しましょう。
降水量と被害の関係は、一般的に次のようになっています。
1時間あたりの降水量 | 被害の状況 |
---|---|
50mm以上 | 土砂崩れ、床下への浸水が起こり始める |
100mm以上 | 河川の氾濫、床上への浸水に注意が必要 |
最近は短時間で激しい雨が降る機会も増えているので、短時間でも大雨で被害が出ると考えておきましょう。
強い雨雲が長時間に渡って一箇所に停滞することもあります。
長時間雨が降り続けることで、地盤が緩み、土砂災害などが起きる可能性が高まります。
大雨に関する情報で示される「24時間降水量」など、の合計の降水量にも注意しておきましょう。
24時間の降雨量の合計が300mm以上になると、大規模な災害につながる可能性があります。
大雨が予想される場合は、気象情報や地域ごとの情報をこまめにチェックし、危険を感じたら早めに避難することをお勧めします。
台風の対策は屋外と屋内で必要!情報収集の方法も紹介


台風は発生後1週間程度かけて、ゆっくり日本に接近してきます。
台風が発生すると、気象情報では台風の規模や予想される進路など、頻繁に情報提供されます。
同じ自然災害でも、地震は発生場所や時期を予想できませんが、台風は接近の様子がはっきりと予測できます。
台風の被害を抑えるためにも、屋外と屋内で対策が必要です!
屋外 | 屋内 |
---|---|
固定するか風の当たらない場所に片付ける。 側溝や排水溝を掃除する。 | 施錠して窓ガラス飛散防止フィルムを貼る。 水を確保する。 非常用食品を用意する。 停電対策する。 |
この章では、台風接近が予想されるときの事前にできる対策や、接近中の対策について説明します。
【接近前】屋外と屋内の対策紹介
台風が接近したら、落ち着いて対応できるように、事前準備しましょう。
【屋外】飛散防止と大雨対策
台風接近が予想されるときは、自宅周辺で次の2点を確認しましょう。
- 屋外にある物は、固定するか風の当たらない場所に片付け、物の飛散による被害を受けないよう対策しましょう。
- 側溝や排水溝を掃除して、大雨で水があふれないようにしておきましょう。
台風の風で屋外の物が飛ばされると、自分だけでなく他人へ被害を与えてしまうかもしれません。
風雨が強くなってからの片付けは危険なので、台風接近がわかったら早めに対策しておくことをお勧めします。
【屋内】安全確保と自宅待機準備
屋内では、台風による被害が出ても安全に過ごせるように準備しておきましょう。
窓やドア | 施錠を確認し、窓にフィルムを貼って補強する。 |
---|---|
水の確保 | 湯船に水を貯めて生活用水にし、ペットボトルの飲用水を準備する。 |
非常用食品 | 常温で日持ちする食べ物、インスタント食品、レトルト食品、缶詰などを準備する。 |
停電対策 | スマホやモバイルバッテリーへ十分な充電をする。 冷蔵庫の停電対策に、保冷剤をたくさん準備する。 |
台風接近前に、窓にフィルムを貼って補強すると、ガラスが破損したときの飛散防止対策になります。
台風情報は発生時から提供されますし、予想される進路は5日後まで発表されます。
いざというときに焦らないように早めに情報をキャッチし、ゆとりをもって準備しましょう。
飛散防止フィルムは、台風や地震などの災害時にガラスが飛び散るのを防ぎ、怪我のリスクを減少させます。
侵入者の進入を遅らせる効果があり、防犯対策としてもGood!


【接近中】情報収集は3種類でチェック
台風が日本列島に接近してきたときは、頻繁に情報が更新されています。
自分のいる場所がどのような状態か、どのようなことが予想されているかを確認し、必要に応じて対策を取りましょう。
- テレビやラジオの台風情報
- ハザードマップ
- 地域の防災情報
ハザードマップには、各地域でどのような災害が予想できるかが、詳しく示されていますので、状況に応じて対策を立ててください。
自治体ごとに避難所情報などを提供するサイトやメールサービスがあれば、より詳しい情報が手に入ります。
自宅周辺の状況を把握し、危険が予想されている地域は早めに避難してください。
避難するときは1人で行動せず、複数で行動するようにしましょう。
時間に余裕があるときは、近隣の避難所ではなく、台風被害のない地域に避難すると、確実に台風の被害から身を守れます。
まとめ
- 台風が曲がる理由は、周辺で起きる風の影響で、太平洋高気圧からの風で北上し、日本付近で偏西風の影響を受け東に曲がる。
- 日本周辺までやってきた台風は、気温差から徐々に勢力を落とし、低気圧に変化する。
- 台風情報では進路だけでなく「大きさや強さ」や「風」や「大雨」に関して情報発信されるので、どのような台風なのか事前に把握できる。
- 台風接近前は、屋外は片付けと物の固定して、屋内は、窓の施錠や補強、水の確保、非常用食品の用意、停電対策する。
- 台風の接近中は、テレビやラジオ、ハザードマップ、地域の防災情報から情報収集をし、必要に応じて避難する。
日本は自然災害の多い国で、台風をはじめとして様々な災害が起きています。
自然災害は、予期せず発生する地震などもありますが、台風は発生から接近まで、1週間程度あるため、防災対策する時間が十分あります。
台風も動きが一定ではなく、近年特に不規則な動きをするものが多くなっていますが、太平洋高気圧の動きなどから予測が可能です。
しっかり情報収集して早めの行動を取ることで、自分や大切な人の命と生活を守りましょう!
飛散防止フィルムは、台風や事故時にガラスの飛散を防ぎ、侵入犯罪の抑制にも効果発揮!
安心して過ごせる住環境を整えましょう。

